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「捻る」運動は「伸ばす縮める」運動や「丸める反る」運動の応用です

🔸「捻る」ことは“胴体の運動力”の本質
6月前半のテーマは「体を捻る」運動。
ボクシングのフック、キックボクシングのミドルキックなど、胴体をひねる動作を中心にトレーニングしていただいています。
この「捻り」の運動は、筋肉を縮めたり伸ばしたりする運動、丸めたり反らせたりする体幹の動きと深く連携しています。
つまり「捻る」ためには、胴体全体をしなやかに使えることが前提となります。
🔸背中の硬さが「捻る力」を邪魔する
体をうまく「捻れない」原因は、背中(脊柱周囲)の硬さにあります。
特に猫背姿勢、デスクワーク、スマホ操作で背中がこわばる現代人は、胴体の可動域が小さくなりがちです。
そこで有効なのが、「反る・丸める」といった動きで背骨の可動性を取り戻すこと。
これにより内臓まわりの緊張もやわらぎ、「捻り」の動きが自然に引き出されていきます。
🧠【研究補足】
体幹の回旋動作においては、「胸椎の可動性」が非常に重要です(参考:Sahrmann, 2002, Diagnosis and Treatment of Movement Impairment Syndromes)。また、「脊柱の剛性の低下」が下肢の力発揮効率にも影響することが知られています(Hodges et al., 2003)。
🔸「捻る力」は下半身の筋力にもつながる
胴体の動きが滑らかになると、下半身(とくに大腿部)の筋出力も向上します。
これは「体幹の回旋力」が下肢の関節運動や安定性に直接作用するためで、格闘技やスポーツ動作では特に重要です。
つまり、「胴体 → 骨盤 → 下肢」という運動の連鎖(キネティックチェーン)が、効率的に働くようになるのです。
🔸手足を動かすだけでは「運動」じゃない?
日常で「手を動かす」「足を動かす」といった行為だけでは、本来の意味での“運動”とは言えません。
胴体から手足へと連動して動く感覚を獲得してはじめて、「体を使っている」ことになります。
ハニーラルヴァでは、見えない部分(体幹や骨盤)の動きを感じるトレーニングを通じて、「身体を使う力」を育てています。
🧘♀️健やかな体を育てるために
身体の柔軟性、コントロール力、そして胴体の力。
この3つが揃うことで、運動効果だけでなく、姿勢改善・腰痛予防・代謝向上にもつながります。
「動かしている」から「使っている」へ。
質の高い身体の使い方を、一緒に育てていきましょう。
🧪関連論文・エビデンスリスト(参考)
分野 | 論文・著者 | 内容概要 |
---|---|---|
体幹と下肢の連動 | Hodges, P.W. et al. (2003) | 体幹筋の安定性と下肢運動との関連性についての研究 |
脊柱の可動性 | Sahrmann, S.A. (2002) | 背骨の可動性低下がもたらす運動障害の解説 |
運動連鎖の理論 | Kibler, W.B. et al. (2006) | スポーツ動作における体幹の役割とパフォーマンスとの関係 |
胴体回旋の制限因子 | Tsai et al. (2014) | 胸椎の可動域が回旋運動に与える影響 |