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発汗量に気を付けて頂きたいので表にしました

【脱水とパフォーマンス低下】汗と水分補給の正しい知識
夏になると、トレーニング中や日常生活でも汗をかく量が増えてきます。
汗をかく=水分を失う、ということは体調やパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があるのです。
■マラソン選手における「体重の3%」の水分損失とは?
イギリス・ラフバラ大学の研究(Gisolfi & Coyle, 1993)では、マラソンランナーのパフォーマンスに影響を与える水分損失の指標は「体重の3%以上」であるとされています。
体重60kgの人なら、およそ1.8L以上の水分を失うとパフォーマンスが著しく低下するというわけです。
■発汗による体温調整と必要な水分量
人間の体は、汗をかくことで体温を下げようとします。
体温を1℃下げるのに必要な水分は約100mLとされており、これは運動中の大量発汗では容易に超える量です。
しかし水分補給もやりすぎは禁物。
1時間に1リットル以上の水分を摂り続けると、血中ナトリウム濃度が異常に下がる「低ナトリウム血症(水中毒)」という危険な状態になることもあります。
■【表】発汗量と脱水レベルの目安
シーン例 | 発汗量(目安) | 体重60kgの人が失う水分 | 脱水レベルの影響 |
---|---|---|---|
安静時(日常生活) | 0.5〜1L/日 | 0.8〜1.2% | 軽微な影響 |
軽い運動(散歩など) | 約1L/時間 | 約1.6% | やや疲れやすくなる |
中〜強度運動 | 1.5〜2L/時間 | 2.4〜3.2% | 注意力・パフォーマンス低下 |
高温下での運動 | 2〜3L/時間 | 3.2〜4.8% | めまい・脱水症状リスク高 |
■脱水を防ぐためのポイント
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こまめな水分摂取を習慣に(1回に200〜300mLを目安に)
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運動前・運動中・運動後で適切な補給を分けて考える
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ナトリウム(塩分)を含むドリンクも活用
→ 特に大量に汗をかく環境では経口補水液(OS-1など)が有効です。
🧠関連文献とエビデンス
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Shirreffs & Maughan, 1998 – 運動時の水分補給とパフォーマンスに関するレビュー
(出典: Journal of Sports Sciences) -
Gisolfi & Coyle, 1993 – 熱ストレス下での水分損失と持久力
(出典: Exercise and Sport Sciences Reviews)
🏁まとめ
水分は体温調整、血流維持、脳の働きにも直結しています。
ただ飲むのではなく、「タイミング」と「量」を見極めて、水分補給を戦略的に行うことが大切です。
ハニーラルヴァでは、運動指導だけでなく科学的根拠に基づく身体管理法も指導しています。
安全で効果的なトレーニングのために、ぜひ水分補給の知識も一緒に学んでいきましょう!