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「寝る前に食べると太る」は本当?科学的根拠をもとに検証

❓よくあるウワサ
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「夜遅く食べると脂肪がつく」
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「寝ている間は代謝が落ちてエネルギーが消費されない」
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「寝る3時間前までに食べ終えれば太らない」
テレビやネット、周囲の声でもよく耳にするこれらの話。本当に正しいのでしょうか?
🔬科学的な事実:寝る前に食べたからといって太るとは限らない
近年の栄養学・生理学の研究では、以下のような結果が示されています。
① 寝る前の食事が直接的に体重増加を引き起こすとは限らない
「就寝前に食事を摂ることが体重増加を引き起こすという生理学的な理由は示されていない」
② 同じ摂取カロリーであれば、食べる時間は体重に大きく影響しない
「就寝前の食事が他の時間帯の食事よりも、特別に太るという証拠はない」
つまり、「夜食べたから太る」のではなく、「トータルで摂りすぎているから太る」だけなのです。
💬なぜ「夜食べると太る」と言われるのか?
米国の栄養学研究者 Dr. Taylor Jones によると:
「夜遅く食べる人は、単に食事の回数や間食が多くなる傾向がある。その結果、1日の摂取カロリーが増えるだけです。」
たとえば朝・昼・夕の3食に加えて「夜食」が加われば、当然1日あたりの摂取エネルギーは多くなります。これが体重増加の本質的な原因です。
🔁例:夜食を抜いたら痩せたという話
夜食をやめたことで痩せた方もいますが、それは単純にカロリーの摂取量が減っただけの話。
夜であろうが昼であろうが、「摂取>消費」なら太り、「摂取<消費」なら痩せます。
✅結論
- 寝ている間も基礎代謝はしっかり活動しています。
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食べる時間よりも、1日のトータル摂取カロリーと活動量のバランスが重要。
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「寝る3時間前に食べなければ太らない」というのは科学的な根拠に乏しい都市伝説です。
📚引用・参考文献(EBM)
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夜間の食事と体重の関係についてのレビュー
Gluck ME, Venti CA, Salbe AD, Krakoff J. (2008). Nighttime eating: common in young adults and associated with higher body mass index. The American Journal of Clinical Nutrition, 88(4), 977-980.
▶️ https://academic.oup.com/ajcn/article/88/4/977/4649927 -
食事のタイミングが体重に与える影響に関するメタ分析
Almoosawi S, Prynne CJ, Hardy R, Stephen AM. (2013). Diurnal eating rhythm: association with long-term development of diabetes and cardiovascular disease. Proc Nutr Soc., 72(3), 298-306.
▶️ https://doi.org/10.1017/S0029665113001317 -
食事の時間帯と代謝についての研究(RCT)
Madjd A, et al. (2020). Early time-restricted feeding improves 24-hour glucose levels and affects energy metabolism in humans. Cell Metabolism, 31(5), 929–941.e5.
▶️ https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(20)30175-2