②毎日更新の情報
「タンパク質だけじゃダメ?偏った栄養摂取が筋肉づくりを妨げる理由」

「タンパク質だけじゃダメ?偏った栄養摂取が筋肉づくりを妨げる理由」
🥩 タンパク質を多く摂れば、筋肉が増えると思っていませんか?
ひと昔前から「とにかくタンパク質を優先的に摂ろう!」という傾向が見られました。
確かに筋肉を構成する主な材料はタンパク質ですが、摂取すればするほど筋肉が増えるわけではありません。
実際には、摂取したタンパク質がすべて筋肉に使われるとは限らないのです。
🔥 消費エネルギーが足りなければ、タンパク質は"燃料"として使われてしまう
体はまず、エネルギー源として 炭水化物(糖質)や脂質を使います。
しかし、それらが不足していると、代わりにタンパク質がエネルギー源として使われてしまいます。
このとき、せっかく摂取したタンパク質は「筋肉合成」ではなく、「エネルギー生産」に回されてしまうのです。
さらに、タンパク質をエネルギーに変換するのは効率が悪く、肝臓や腎臓に余計な負担をかけることにもなります。
📉 過剰なタンパク質はむしろ非効率
人間の体には、タンパク質の必要量(推奨量)があり、それを超えた分がすべて筋肉になるわけではありません。
エネルギー不足の状態でタンパク質だけを大量に摂っても、筋肉がつきにくくなるどころか、体調を崩す可能性すらあります。
例えば、糖質制限をしている人が「プロテインさえ飲んでいれば大丈夫」と思っていると、筋肉がつかないだけでなく、体重も落ちず、疲労感だけが残るという悪循環になりかねません。
✅ バランスこそが、筋肉づくりの最短ルート
タンパク質を筋肉に使いたいなら、まずは炭水化物や脂質をしっかり摂ることが前提です。
エネルギーが満たされていれば、タンパク質は本来の役割である「筋合成」や「回復」に集中して使われます。
つまり、「バランスの良い食事」が、筋トレ効果を最大化する基本であり王道なのです。
📚 EBMに基づく参考文献(論文リンク)
-
タンパク質摂取と筋タンパク質合成に関する総説
「Dietary protein and muscle mass: Translating science to application and health benefit」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33021839/ -
糖質制限と筋肉量維持の関係
「Carbohydrate availability and the adaptive responses to resistance exercise」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29119868/ -
過剰タンパク質摂取が腎機能に与える影響
「High-protein diets and renal health: a review」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17921415/