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日本では美徳、海外では病気①ーノンレム睡眠とレム睡眠の勘違い

【睡眠不足は“文化”ではなく“病気”です】
――経済損失と寿命に直結する「日本の睡眠問題」
日本では、「徹夜=努力」「寝ない=美徳」とされる風潮が根強く残っています。
しかし、これは健康やパフォーマンスにおいて致命的な誤解です。
実際、東京は世界で最も睡眠時間が短い都市とも言われ、平均睡眠時間は約5時間28分。
多くの人が、病気であると自覚せずに“慢性的な睡眠不足”の中で生活しているのが現状です。
■ 睡眠不足がもたらす社会的損失
経済協力開発機構(OECD)などの調査によれば、睡眠不足によって引き起こされる日本のGDP損失は約3%にのぼるとされます(Rand Europe, 2016)。
これは、国全体の生産性や創造性を著しく損なっている証拠です。
つまり、国民がしっかり眠るだけで3%の経済成長が可能ということになります。
■ 睡眠のサイクルと重要性
睡眠は90分ほどのサイクルで「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(夢を見る時間)」を繰り返します。
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前半:ノンレム睡眠が多く、脳と身体の深い回復を担う
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後半:レム睡眠が増え、記憶定着や情動の整理を行う
ここで重要な誤解があります。
「レム睡眠=浅い睡眠」とされがちですが、実際には外部刺激を遮断する深い脳の活動状態であり、浅いどころか生きる上で極めて重要な時間です。
■ 衝撃的な研究結果:レム睡眠と寿命の関係
筑波大学の国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史博士(米国医学博士)によれば、レム睡眠の割合が5%減るごとに総死亡率が13%上昇するというデータが存在します(出典:Yanagisawa Lab, 2020年報告より再構成)。
さらに、レム睡眠が少ない人は10年後の生存率が約3分の2に落ち込む可能性も示唆されています。
■ 「最初の1~2サイクルで十分」は間違い
「最初の深い睡眠だけとれていればOK」といった情報もありますが、これは非常に危険です。
ノンレムもレムもどちらかが欠けても健康や寿命に重大な影響を及ぼすため、トータルでの睡眠の質と量が不可欠です。
◎まとめ
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徹夜=頑張っているは過去の話。現代の科学では「体と脳を破壊する行為」です
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レム睡眠もノンレム睡眠も両方必要。前半・後半ともに削ってはいけません
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十分な睡眠は生産性と寿命のカギであり、それは国全体の成長にも直結します
普段の生活で使うカロリーはどのくらい?

表にまとめてみました。
普段の生活で使うエネルギーはどのくらいか?
脂肪1kgを燃焼させるためにはおおよそ約7200kcalが必要とされています。
それほど、脂肪を燃焼させるためにすぐ脂肪が1kg減るような事は起きません。
糖質制限したりすると最初はすぐに体重が減りますが、それは水分と糖質が体から出る事によって起こる事であってあくまでもダイエットではありません。
リバウンドの原因の図を作成しました

リバウンドの原因は大きく3つ。
運動や生活習慣が乱れていると基礎代謝が下がり、今まで通りの食事をしているとカロリーがオーバー気味になって太ってしまう。
一気に痩せようとすると、体は体外に出す栄養を留めようとし、摂取する栄養分を過剰に吸収する。
食事の摂取カロリーを極端に低くすると、食欲を抑制するホルモンの分泌を抑えるので相対的に摂取する食事が増える。
刑務所に入ると糖尿病が良くなるワケ②

刑務所に入ると糖尿病が改善するそんな話を聞いたことはありませんか?
実は、これには科学的な裏付けがあります。鍵となるのは、「水溶性食物繊維」と「生活習慣の安定」です。
◆ 刑務所での食生活の特徴
刑務所では、主食に「麦飯」が採用されていることが多く、これに含まれる水溶性食物繊維の摂取量が非常に多いのです。
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不溶性食物繊維:一般人と受刑者で大差なし
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水溶性食物繊維:一般人の約5倍
この水溶性食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリン抵抗性を改善する効果があることが複数の研究で報告されています。
◆ 医師も驚く“改善例”
ある受刑者の例では、入所時95.7kgあった体重が、1年9ヶ月(21ヶ月)で66kgまで自然に減少。
月平均約1.4kgのペースで、医師が驚くほどの「理想的な減量」が実現されたのです。
注目すべきは、特別なダイエットや食事制限は行われていない点。
むしろ、カロリーは1日2,500kcal前後と、一般成人男性の標準摂取量に近い数字です。
◆ 規則正しい生活こそが最大の薬
このような体重と血糖の改善の背景には、以下の「当たり前」があります。
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安定した睡眠時間
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減らさないバランスの良い食事
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適度な運動(作業や体操)
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毎日の決まった生活リズム
医師の間では、刑務所での改善を見越して、糖尿病薬をあえて投与しないケースもあるほどです。
◆ ハニーラルヴァのアプローチ
私たちハニーラルヴァのオンラインダイエットでは、この「生活習慣の質(QOL)を高める」という本質に着目し、次の3つを徹底してサポートしています。
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減らさない食事(必要な栄養はしっかり摂る)
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安定した睡眠と生活リズムの確保
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無理のない運動習慣の構築
ただ体重を落とすだけのダイエットではなく、「身体を整える=健康を取り戻す」ことを目的としたサポートです。
◆ 関連論文
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Chandalia M. et al., "Beneficial Effects of High Dietary Fiber Intake in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus", New England Journal of Medicine, 2000.
→ 水溶性食物繊維がインスリン感受性を改善したという代表的研究。 -
Makki K. et al., "The impact of dietary fiber on gut microbiota in host health and disease", Cell Host & Microbe, 2018.
→ 腸内細菌と血糖コントロールの関係を明らかに。
◆ 最後に
少し悔しいかもしれませんが、「健康」という面では、現代人よりも刑務所の受刑者の方が生活習慣が整っているのが現実です。
だからこそ、私たちはジムやオンラインを通じて、日常の中で“健康のコントロール”を持つことの重要性を伝えていきたいと思っています。
刑務所に入ると糖尿病が良くなるワケ➀

【なぜ刑務所で糖尿病が改善されるのか?】
~麦飯と規則正しい生活が生む“生活習慣病”の逆転劇~
「刑務所に入ると血糖値が改善し、糖尿病が良くなる」という話があります。
驚かれるかもしれませんが、これは実際に多くの医療関係者や矯正施設内のデータからも報告されている事実です。
一見すると「カロリー制限され、強制労働をさせられるから当然だろう」と思われがちですが、それは誤解です。
たとえば東北最大級の福島刑務所では、
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6:40起床 / 7:10朝食 / 7:50作業開始
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12:00昼食 / 12:30~16:30作業 / 17:00夕食・余暇
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21:00就寝
という規則正しい生活を送りながら、1日8時間以内の労働(週40時間以内)に従事しています。
食事も決して“粗末”ではなく、麦飯を中心とした主食に副菜・汁物がついたバランスの良い献立。
平均摂取カロリーは2200~2600kcal程度で、日本人の平均と変わらないか、むしろ多いほどです。
▷ 麦飯が血糖値改善のカギ
ここで注目すべきは「麦飯(バクシャリ)」の存在。
麦飯とは、白米に押し麦や胚芽押麦を混ぜたもので、食物繊維が豊富かつ低GI(血糖上昇が緩やか)という特徴を持ちます。
実際に、大麦の摂取が血糖値やインスリン感受性の改善に有効であることは複数の研究で報告されています。
◉ 参考論文:
Tosh SM. (2013). “Review of human studies investigating the post-prandial blood-glucose lowering ability of oat and barley food products.” European Journal of Clinical Nutrition, 67(4), 310–317.
この論文では、大麦に含まれるβ-グルカンが、食後血糖上昇を有意に抑制することが示されています。
さらに、刑務所内では「毎日同じメニューが出ないように1ヶ月献立が被らない」ほど管理が徹底されています。これは家庭では難しいレベルの食事管理です。
▷ 規則正しい生活×低GI食×適度な身体活動=自然な改善
実際、刑務所に入ってから
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インスリン投与が不要になった
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内服薬を減らせた
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HbA1c(平均血糖値)が正常域に戻った
というケースも多く報告されています。
これは、「運動を強制されたから」だけでなく、生活リズムの整備・麦飯のような血糖調整作用のある食品の継続摂取が、大きな要因となっているのです。
◆ ジムでの取り組みとして
当ジムではこの事例に注目し、「薬に頼らず、食習慣と運動習慣で血糖を改善する方法」を皆さまに伝えています。
特に、麦飯を取り入れた食事指導は、私のオンラインダイエットメンバーにも推奨しており、現場での変化も実感されています。
「我慢ではなく、整える」
これは刑務所の例から私たちが学べる、生活習慣改善のヒントかもしれません。