②毎日更新の情報
一般的なダイエットの考え方をみてみましょう ③ジョギングやウォーキングをする

【ダイエット最終章】「運動すれば痩せる」は本当か?カロリー神話に終止符を。
◆運動=痩せる、は間違い?
「毎日ジョギングしてるのに痩せない…」
「ウォーキングしてるから食事は気にしなくていいでしょ?」
こんな声、ジムでもよく聞きます。
もちろん運動は健康に不可欠ですが、ダイエット=運動すれば痩せるという考え方は、実は大きな誤解です。
◆運動で減るカロリーは意外と少ない
体重60kgの人が30分運動した場合のカロリー消費量は…
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バレーボール・ボウリング:約95kcal
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テニスの試合:約142kcal
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クロール10分:約87kcal
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フルマラソン:約2500kcal
驚くべきは体脂肪1kgを燃焼するには7200kcal必要ということ。
フルマラソン完走でやっと350gの脂肪燃焼です。
つまり、体脂肪を減らすには、運動よりも「食事の見直し」が圧倒的に効率的なんです。
📚【参考論文】
Donnelly, J. E. et al. (2009). Appropriate physical activity intervention strategies for weight loss and prevention of weight regain for adults. Med Sci Sports Exerc.
Hall, K. D. et al. (2012). Quantification of the effect of energy imbalance on bodyweight. The Lancet.
◆「減った体重」は本当に脂肪?
「サウナ入ったら2kg減った!」「フルマラソンで3kg落ちた!」
これ、脱水による一時的な体重減少で、脂肪が減ったわけではありません。
水を飲めばすぐ元通り。
ジムの体重計も、入浴後に測るためのものではありません。
◆それでも運動は必要です
じゃあ運動は意味がない?
そんなことはありません!
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筋肉をつけて基礎代謝を上げる
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生活習慣病の予防
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引き締まったカラダをつくる(ボディメイク)
運動は「痩せるための手段」ではなく、「健康的で美しいカラダをつくるための土台」です。
ただし、「食事管理」とセットで行わなければ意味がありません。
◆有酸素運動は「お腹が減る」
ジョギングやウォーキングは健康に良いですが、長時間行うと空腹感が強まりやすくなります。
結果、食べ過ぎてしまっては本末転倒。
さらに、フォームが間違っていると膝や腰を痛めてしまうことも。
◆本当に必要なのは「1日の適正カロリー」を知ること
ダイエットとは、1日に必要なエネルギー(メンテナンスカロリー)に対してどれだけ余分に摂っているかを調整する行為です。
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基礎代謝(=何もしなくても消費されるカロリー)
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日常活動や運動で消費されるカロリー
この合計が、あなたが1日に必要とする「メンテナンスカロリー」。
ダイエットとは、これを少し下回る食事に調整することです。
✅ 無理に食べないダイエットはリバウンドの原因になります
◆ジムに通っている皆さんへ
すべてを自分で計算する必要はありません。
私たちトレーナーがそのためにいます。
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カロリーの計算
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運動の継続性の設計
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生活リズムに合わせたアドバイス
一人ひとりの体質やライフスタイルに合わせて、「続けられるダイエット」を一緒に組み立てていきましょう。
一般的なダイエットの考え方をみてみましょう ②の追加

【一般的なダイエットの落とし穴②】
~糖質制限が必ずしも脂肪減少に直結しない理由~
多くの方が「糖質を摂ると太る」と思い込み、炭水化物を極端に制限するダイエットを実践しています。
しかし、糖質=脂肪になるという単純な構図は、実は大きな誤解を含んでいます。
■糖質はどのくらい脂肪になるのか?
糖質が体内で中性脂肪に変換される割合は非常に低く、
糖質1gが脂肪として蓄積されるのは約0.28g程度とされています(※1)。
つまり、仮に100gの糖質を“余分に”摂ったとしても、脂肪として蓄積されるのは約28g程度。
日常生活で1000gもの糖質を一度に摂取することは現実的ではないため、
「糖質を少し多めに食べただけで太る」というのは誤解であることが分かります。
■本当に太る原因は“脂質”の過剰摂取
ここで注目すべきは「脂質」です。
糖質とは異なり、脂質は摂取されたものがそのままほぼ100%の効率で体脂肪に変換されます(※2)。
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脂質100g摂取 → そのまま100gの脂肪に
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糖質100g摂取 → 約28gの脂肪に(しかも適正カロリーを超えた場合に限る)
つまり、“効率的に太る栄養素”は脂質なのです。
■脂質の摂りすぎを避けることが、ダイエットの本質
脂質を多く含む食品は、揚げ物、洋菓子、ナッツ、ドレッシング類など、日常に溶け込みやすいため意識していないと過剰摂取になりがちです。
糖質を制限するあまり、結果として脂質の摂取量が増えてしまっては本末転倒です。
本当に気をつけるべきは糖質ではなく脂質。
■まとめ:本当に効率の良い「太り方」とは?
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糖質を過剰摂取しても、脂肪には変換されにくい
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脂質は摂った分がそのまま脂肪になる
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消費カロリーを超えない限り、脂肪は増えない
つまり、太らない体を作るには、脂質のコントロールと全体の摂取カロリーの管理が鍵となります。
🔬【参考文献・科学的根拠】
※1:Acheson KJ, et al. (1988). "Glycogen storage capacity and de novo lipogenesis during massive carbohydrate overfeeding in man." Am J Clin Nutr.
https://doi.org/10.1093/ajcn/48.2.240
※2:Hellerstein MK. (1999). "De novo lipogenesis in humans: metabolic and regulatory aspects." Eur J Clin Nutr.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10490743/
一般的なダイエットの考え方をみてみましょう ②糖質を抑えている人

【食べないダイエットは逆効果】
―糖質制限の落とし穴―
「白いご飯は太るから控えています」「炭水化物は抜いてます」
こうした声は、今やダイエットの常套句になっています。確かに、白米1杯(約150g)には約55gの糖質が含まれており、「糖質のかたまり」と表現されるのも間違いではありません。
しかし
白米=悪、糖質=敵。
このように単純な「悪者探し」になってしまっていないでしょうか?
■糖質制限のルーツと誤解
もともと糖質制限は、糖尿病患者に対する医療的な食事療法として発展してきました。
そこでは管理栄養士が綿密にカロリーと栄養バランスを設計しています。
自己判断で「糖質を抜けば脂肪が燃えるはず」と始めてしまうのは、片手落ちなのです。
糖質が入ってこなければ体は脂肪を燃焼させようとします。これは「糖新生」や「ケトーシス」と呼ばれる生理現象です。
一見、脂肪燃焼に効果的に思えるかもしれませんが、長期的な糖質不足は以下のような悪影響を招くことが知られています。
■過度な糖質制限のリスク
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筋肉量の減少(糖新生による筋分解)
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集中力・判断力の低下(脳の主要エネルギー源は糖質)
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代謝の低下(エネルギー不足による防御反応)
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女性における月経異常やホルモンバランスの乱れ
これらは、単に「食べない」ことによる栄養不足とも重なります。
そして結果的に「痩せにくく太りやすい体質」になってしまうのです。
■なぜ“糖質だけ”が狙われるのか?
脂肪は糖質だけでなく、脂質からも、タンパク質からも合成されます。
糖質だけを極端に抑えることは、例えるなら「ソースやしょうゆを全部禁止する」ようなもの。
少しなら美味しくて身体にも良いものを、極端に避けるのは本末転倒です。
何事もバランス。
運動も食事も「ちょうどよい加減」が最も体にとって正しい方法なのです。
■たまたま成功する人もいるが…
自己流で「カロリー制限」や「糖質制限」をした結果、たまたま摂取量のバランスが整って成功する人もいます。
しかしそれは、まさに宝くじを当てるようなもの。
あなたの身体は、**一生付き合っていく“資本”**です。効率的に、そして安全に整えるには、「知識」と「計画」が必要です。
■まとめ:正しい糖質との付き合い方
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糖質=悪ではない
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抜きすぎは、筋肉や代謝に悪影響
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継続できる食事は、バランスを大切に
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成功には“運”より“戦略”を
Honey Larvaでは、個々のライフスタイルや体質に合わせた栄養指導・トレーニング指導を行っています。「ただ抜く」「ただ減らす」から卒業しませんか?
🔎 参考文献・エビデンス
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厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』
→ 総エネルギーの50~65%を糖質から摂取することが推奨。 -
WHO (2015) Guideline: Sugars intake for adults and children
→ 遊離糖類は1日25g未満が望ましいと明記。 -
Naude et al., 2014, PLOS ONE
→ 低糖質ダイエットと従来型のバランス食との比較。長期的な体重減少に明確な差はなし。 -
Gillen et al., 2013, Journal of Applied Physiology
→ 筋トレ中の低糖質ダイエットが筋合成に及ぼす影響を検証。低糖質では筋量が減少しやすい傾向。
一般的なダイエットの考え方をみてみましょう ➀食事を控えている人

【食べなきゃ痩せない?】「食べないダイエット」が逆効果な理由
「食べたら太る」は当たり前。でも実は「食べなきゃ痩せない」も、当たり前なのです。
■食べない=痩せる、は間違い
食べなければ、確かに体重は一時的に落ちます。
しかしそれは、胃の中の食べ物がなくなったり、水分やグリコーゲンが抜けたりするだけのこと。
本当に落としたい「体脂肪」は、むしろ減りにくくなっていきます。
理由は代謝の低下です。
身体は飢餓状態を感じると、省エネモードに入り、基礎代謝を落としてカロリー消費を減らします。
その結果、筋肉が分解されて減り、脂肪を残すという状態になってしまうのです。
この現象は「サルコペニア肥満(筋肉が減って脂肪が相対的に多くなる状態)」と呼ばれ、見た目にも不健康で、病気のリスクも高まります。
■「食べるからこそ、痩せる」仕組み
基礎代謝とは、寝ていても心臓や脳を動かすために必要な最低限のエネルギーです。
これを下回る摂取量が続くと、筋肉の分解(糖新生)が進み、体は「守るべき筋肉を削って生きようとする」モードになります。
逆に、適切な栄養とカロリーを摂ることで、筋肉を守りながら脂肪を燃やす代謝が可能になります。
ダイエット中こそ「食べること」で、痩せやすく、リバウンドしにくい身体をつくることが大切です。
■参考研究
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Gillen & Gibala, 2014
>「極端なエネルギー制限は代謝機能を損ない、筋肉量の減少を招く」と警告しており、適度なエネルギー制限と運動の併用が最も有効とされています。
>(Journal of Physiology) -
Stiegler & Cunliffe, 2006
>「低エネルギー食では、筋肉量の減少が体重減少に大きく寄与し、体脂肪率がむしろ上がる可能性がある」としています。
【要注意】ウコンドリンクは本当に肝臓を守るのか?

康食品の“イメージ”と“医学的事実”のギャップに迫る
「お酒の前にウコンドリンク」――
これはテレビCMやネット広告などでよく目にする健康習慣のひとつです。
しかし、運動や栄養の“本質”を大切にしている当ジムでは、こういった「イメージ先行」の健康習慣に対して、実際にどのような科学的根拠があるのか?を丁寧に紐解いていきたいと考えています。
◆ ウコンドリンクに「肝臓を守る」医学的根拠はあるのか?
まず結論から言えば、ウコンドリンクに「肝臓を守る」「二日酔いを防ぐ」といった効果を医学的に支持する信頼性の高い研究は存在しません。
むしろ、過剰な摂取は健康を害するリスクがあるという報告も複数存在しています。
◆ 鉄分の過剰がもたらす「逆効果」
ウコンには鉄分が非常に多く含まれることが知られています。
これが肝臓にどう影響するか――
実は、アルコール性肝障害の患者の肝臓には鉄が沈着しているという研究報告があり、鉄の過剰摂取が肝障害を悪化させるリスクがあるのです。
📚 参考文献:
Witte D. et al. (2000). Iron overload and alcoholic liver disease. Alcohol.
Stickel F, Schuppan D. (2007). Herbal medicine in the treatment of liver diseases. Digestive and Liver Disease.
◆ 劇症肝炎を引き起こす例も
さらに深刻なのが、ウコンに関連した劇症肝炎の症例報告です。
特に以下のような基礎疾患を持つ方には注意が必要です:
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C型慢性肝炎
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B型慢性肝炎
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2型糖尿病
これらの方がウコン製品を摂取した結果、命にかかわる重篤な肝炎を発症した事例が確認されています。
◆ 健康食品やサプリメントは「効く」より「効かないリスク」に注意
ウコンドリンクやシジミ製品(シジミ汁など)に含まれる鉄分の多さは、“良かれと思ってやったこと”が裏目に出る代表例です。
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少量なら問題なし
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「肝臓にいい」と過信して大量摂取 → 危険
とくに「飲酒前にウコン」など習慣化した過剰摂取はリスクを高めます。
◆ ジムとして伝えたいこと
私たちのジムでは、運動や栄養指導を行う際に、「本当に効果があるのか」という科学的根拠に基づいたアプローチを大切にしています。
ウコンのような健康食品は、必要な人に、必要な量だけ。
大切なのは、体にとって本当に有益な行動かどうかを見極めることです。
✅まとめ:ウコン製品は“注意が必要”な健康食品
項目 | 内容 |
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効果の根拠 | 「肝臓を守る」効果を示す明確な医学的エビデンスは乏しい |
鉄分の過剰摂取リスク | アルコール性肝障害を悪化させる可能性がある |
副作用の報告 | 劇症肝炎や急性肝炎の症例が報告されている |
安全な利用法 | 過剰摂取は避け、特定疾患のある方は医師に相談を |