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体温を下げる良い方法のグラフを作りました【熱中症予防向け】

◆ はじめに
夏場のトレーニングや運動指導において、「熱中症予防」は命を守る重要な知識です。
これまで「首や脇の下を冷やすといい」といった方法が一般的でしたが、実はそれだけでは間に合わないという事実が、最新の研究で明らかになっています。
◆ 論文に見る「体温を下げるスピード」の重要性
熱中症患者の救急治療に関する研究(Casa et al., 2007)では、
「深部体温を1分あたり0.05℃以上のスピードで下げること」が治療成功の鍵であるとされています。
また、30分以内に最低でも1.6℃の体温低下が求められており、この基準を満たさないと回復が難しくなる可能性があるのです。
◆ よくある「冷やす部位」では遅すぎる
下図は、各冷却法によってどれだけ深部体温が下がるかを示したグラフです(仮にご提供のグラフをここに掲載)。
✅ 冷却部位別の深部体温低下速度(1分あたり)
首・脇の下・鼠径部:0.02〜0.03℃程度
全身に水道水+アイスマッサージ:0.06℃以上
つまり、「首を冷やす」などの局所冷却では、必要な速度(0.05℃/分)に届かず、熱中症のリスク軽減には不十分ということです。
◆ 効果的な冷却法とは?
研究や臨床の現場で効果的とされているのが以下の方法です。
◎ 全身冷却(Cold Water Immersion または水道水+アイスマッサージ)
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体全体を水で濡らし、氷水や保冷剤でマッサージ
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短時間で深部体温を効率よく下げられる
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特に運動直後や屋外での緊急対応に有効
◎ 冷水シャワー+扇風機(蒸発冷却併用)
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水+風の併用で皮膚からの放熱を促進
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屋内ジムでも実践しやすい方法
◆ まとめ
「冷やせばいい」ではなく、「どれだけ早く、深く冷やせるか」が重要な時代。
便秘解消時に効果大!簡単に作れる食材『梅流し』

作りました。
梅流し
腸内環境を良くするデトックス食事療法としても用いられる梅流し。
便秘解消に効果的な一品です。
大根は90%以上が水分で食物繊維を多く含む食品。腸内に溜まった便を排出するのに有効な成分豊富にが含まれており、クエン酸やカテキン酸を持つ梅干しと一緒に食べる事でさらに効果が高まる一品としてピックアップされています。
大根×梅干し
レシピは簡単。
用意するのは大根、梅干し、ダシ(顆粒でも可)、かつお節。
➀水300ml程度を沸騰させ、ダシと大根を入れる。
②7分~8分程煮たところで梅干しを入れる(種有でも可)。
③さらに5分程度煮て、かつお節をかけて完成(ここで梅干しに種があったら取り出す)
足がつるのはなぜ?その原因と予防に「電解質」

「運動中や夜中に、急に足がつった…」
そんな経験をした方は、決して少なくないでしょう。
足がつる、いわゆる“筋痙攣”の原因としてよく挙げられるのが、以下のような要因です:
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水分不足・栄養不足
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ナトリウムなどの塩分不足
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寒暖差や急激な冷え
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筋肉の過労や疲労物質の蓄積
ただし、実のところ「なぜ足がつるのか」については、医学的には完全に解明されていないというのが現状です。
■ 電解質不足は有力な原因の一つ
近年、有力な原因とされているのが「電解質のバランスの乱れ」です。
電解質とは、体内に取り込まれたナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルがイオン化した状態を指します。
これらは、神経の伝達や筋肉の収縮、体液の浸透圧調整などに重要な役割を果たします。
運動中に大量の汗をかくことで、ナトリウムやカリウムなどの電解質が体外に失われ、その結果、神経と筋肉の連携に支障が出て「つる」ことがあるのです。
■ 電解質と神経伝達の関係
もうひとつ注目したいのが神経系の働きです。
筋肉は、脳や脊髄から送られる電気信号によって動きますが、この伝達にも電解質が関与しています。
特にカルシウムイオンは筋肉の収縮に直接関わり、ナトリウム・カリウムは神経の電気的興奮を伝えるために必要不可欠です。
つまり、電解質の不足によって神経伝達が乱れ、異常な筋収縮(=つる)を引き起こす可能性があるのです。
■ 予防には「事前の摂取」がカギ
攣り(つり)を予防するためには、次のようなポイントが重要です:
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汗をかく前にスポーツドリンクなどで電解質を摂取しておく
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特に暑い日や高強度の運動前には意識的に補給する
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カリウムやマグネシウムを含む食品(バナナ、ナッツ類、ほうれん草など)も日常的に摂取する
なお、電解質は余分に摂っても腎臓が調整して尿として排出してくれるため、多少多めに摂る分には問題ありません(※腎機能が正常な方の場合)。
■ 関連する参考文献(学術論文)
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Schwellnus, M. P. (2009). Cause of exercise associated muscle cramps (EAMC) – altered neuromuscular control, dehydration or electrolyte depletion? British Journal of Sports Medicine, 43(6), 401-408.
→ 足がつる原因に対して「電解質の枯渇と神経制御の異常」が有力説であると述べています。 -
Miller, K. C. et al. (2010). Sodium balance and muscle cramping during exercise: a controlled study. Journal of Athletic Training, 45(1), 36–44.
→ ナトリウム補給によって筋痙攣の頻度が減少するという実験結果。 -
Jung, A. P. et al. (2005). Electrolyte loss and muscle cramps in athletes. Current Sports Medicine Reports, 4(6), 297-301.
→ 発汗による電解質喪失が痙攣と関連している可能性について述べたレビュー。
「足がつる」メカニズムはまだ完全には解明されていませんが、電解質の不足が有力な原因の一つであることは間違いありません。
水分補給とともに、ナトリウムやカリウムを意識的に摂取することが、つりの予防に繋がります。
運動前や発汗が多い環境では、ぜひ「電解質補給」も意識してみてください。
日本では美徳、海外では病気③-眠る子供は縦に育つ、寝ない大人は横に育つ-

【コラム】「寝る子は育つ」は本当だった:睡眠と成長ホルモン、そして健康の深い関係
「寝る子は育つ」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。実はこれ、科学的にも裏付けがある立派な健康格言なのです。
■ 成長ホルモンは“深い眠り”で分泌される
人の体では、睡眠中に成長ホルモン(GH)が大量に分泌されます。
これは子どもにとっては身長の伸びや身体の発達に、大人にとっては筋肉の修復や肌のターンオーバーに関与し、健康と美容、さらには老化の予防にもつながっています。
特に分泌が活発になるのは、眠りの最初に訪れるノンレム睡眠の最も深い段階(深睡眠)。このタイミングでしっかり眠れているかがカギです。
■ 睡眠不足で「横に育つ」大人たち
面白いことに、睡眠時間が短い大人ほど太りやすいという研究結果があります。
これはホルモンバランスの崩れ、特に食欲を抑えるレプチンの減少や食欲を増すグレリンの増加が関係しており、寝不足が肥満のリスクを高めるのです。
「眠る子どもは縦に育ち、寝ない大人は横に育つ」
この言葉は、現代の健康問題を的確に表現しています。
■ 推奨される睡眠時間とは?
厚生労働省や米国睡眠財団(National Sleep Foundation)などによると、
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小学生は9〜11時間
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高校生は8〜10時間
しかし現実の日本社会では、塾や習い事、早すぎる登校時間により、慢性的な睡眠不足が進んでいるのが現状です。
一部の海外の学校では登校時間を遅らせることで、子どもの脳や学業成績に良い影響を与えているという報告もあります(Wheaton AG et al., MMWR Morb Mortal Wkly Rep, 2016)。
■ 睡眠と記憶力の関係:海馬の発達に注目
日本の研究機関では、5歳から18歳の子どもの脳のMRI画像を分析し、記憶を司る「海馬」のサイズと睡眠時間の関係を調べたところ、睡眠時間が長い子ほど海馬の体積が大きいという結果が出ました(※筑波大学の研究チームによる報告)。
これは、学習力や記憶力の発達において睡眠が非常に重要であることを示しています。なお、アルツハイマー病で最も早くダメージを受けるのも海馬です。
■ 昼寝の是非と生活リズムの工夫
生物学的に言えば、昼寝が必要なのは3〜4歳まで。5歳以降は基本的に必要ありません。
そのため、子どもと大人が同じ夜更かし・早起きのリズムで生活するのは望ましくありません。
大人の生活リズムを子どもに押し付けないこと。
そして大人自身も、しっかりとした睡眠時間を確保することで、トレーニングの効果や回復力、集中力の維持にも良い影響があります。
■ まとめ:質の高い睡眠が、健やかな成長と理想の身体をつくる
睡眠は単なる「休み」ではなく、身体をつくる最前線です。筋肉を育てたい方、美肌を目指す方、子どもの発育を心配する親御さん。すべての人にとって、睡眠は欠かせない「トレーニングの一部」と言えるでしょう。
【参考論文・文献】
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Van Cauter E, et al. Sleep and endocrine function. (Endocr Rev. 2000)
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Wheaton AG, Ferro GA, Croft JB. School Start Times for Middle School and High School Students — United States, 2011–12 School Year. (MMWR. 2016)
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柳沢正史 (筑波大学・睡眠医科学研究所):各種講演資料・著作より
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日本小児科学会:子どもの睡眠に関する提言
日本では美徳、海外では病気②ー無呼吸症候群を防ぐにはー

自分のイビキで起きてしまっている方もいらっしゃっていませんか?
以前は肥満の人の病気だと考えられてきた
睡眠時無呼吸症候群
男性に多く、閉経後の女性にも多い無呼吸症候群。
脂肪が多いと舌の奥に脂肪が多く付き、その分、気道が狭くなり、仰向けになった時に舌根が落ちてしまって無呼吸症候群になってしまいます。
いびき対策としては無呼吸症候群になる時は仰向けで寝ている時。
横向きの側臥位であれば、無呼吸症候群にはなりません。
よって、抱き枕などの手段を使うのが良いと思われます。
抱き枕を使うと、体重が分散されるため長く横向きの状態を保持できます。
横向きに寝るだけだと、肩や腰に圧力がかかり無意識に仰向けになるパターンが多く、結局無呼吸症候群に落ちていく事になってしまいます。
これは肥満者のみに限らず、骨格によって(弥生顔、縄文顔など)無呼吸になりやすい、なりにくいの違いがあると言われています。
同じ骨格であれば痩せている程、無呼吸症候群にはなりにくいと言われています。
無呼吸症候群の重症患者の場合、CPAPという風を送るマシンをで改善させる方法もあります。
劇的に改善する患者もいるとの事で、1時間2時間の睡眠不足を解消してくれるとの事。
※アメリカ合衆国の医学博士で現筑波大学の国際統合睡眠医科学研究所の柳沢正史先生の言葉を抜粋。