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なぜ筋肉を減らしてはいけないのか?(後半)

〜昨日の記事の続きです〜
前回は「なぜダイエット中に筋肉を減らしてはいけないのか」を解説しましたが、今回はその続きとして、筋肉が多いとどんな良いことがあるのか?についてご紹介します。
■ ① 筋肉は“代謝を生む熱源”である
筋肉量が多くなると、基礎代謝が向上し太りにくい身体になります。
その理由は、筋肉がエネルギーの75%以上を「熱」として放出しているから。筋収縮によって生じるこの熱(いわゆるふるえ熱産生)は、体温の維持や体内環境の調整に貢献しています。
実際に、安静時の熱産生の約60%は筋肉が担っているというデータもあります。
👉(参考)McArdle et al., Exercise Physiology, 2010
つまり、筋肉が多いほど「熱を生む体」になり、脂肪が燃えやすく、冷えにくい体質になるのです。
■ ② 筋肉は“ポンプ”として血流・リンパの流れを助ける
筋肉の収縮と弛緩の繰り返しは、静脈やリンパ管を圧迫し、血液やリンパ液の還流を促進します。これを「筋ポンプ作用」と呼びます。
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筋肉量が多い → 血流が良くなる → むくみにくい
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筋肉量が少ない → 血流が悪くなる → むくみ・冷え・代謝低下の原因に
つまり、筋肉は「流れを作る」存在でもあるのです。血液循環がよくなることで、代謝が促進され、脂肪分解や老廃物の排出もスムーズになります。
■ その他にも筋肉は重要な役割を担う
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衝撃から骨や内臓を守る保護材になる
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正しい姿勢を保つ「姿勢保持筋」として働く
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さらに、脳の神経細胞の減少を抑えるという研究も注目されています
👉(参考)Liu-Ambrose et al., 2010, Archives of Internal Medicine
■ 結論:筋肉量を増やすことは、最強のダイエット対策
まとめると、筋肉量が多いと…
✅ 熱を生み出し、太りにくい体を作る
✅ ポンプ作用で代謝が上がり、むくみにくくなる
✅ 骨や内臓を守る
✅ 姿勢を整える
✅ 脳機能の低下も防ぐ可能性あり
筋肉は、ただの「動くための組織」ではなく、代謝・循環・姿勢・神経の中心にある大切な存在です。
これこそが、「筋肉を守りながら痩せましょう」という提案の本当の理由です。
なぜ筋肉を減らしてはいけないのか?(前半)

〜健康的なダイエットには「筋肉の維持」が欠かせません〜
「ダイエットをするなら筋肉をつけながら痩せましょう」と、耳にしたことはありませんか?
このアドバイス、実は最新のスポーツ栄養学・生理学の観点からも非常に理にかなっています。
● 筋肉を失う=代謝が落ちる
筋肉(特に骨格筋)は、安静時でもエネルギー(カロリー)を消費する「代謝の主役」です。
このエネルギー消費量は 基礎代謝(BMR) と呼ばれ、1日の消費カロリーの約60〜70%を占めるとも言われています。
筋肉が減れば、当然この基礎代謝も低下し、同じ生活でも太りやすく痩せにくい体質になってしまうのです。
👉(参考)Wang et al., 2010, Obesity Reviews
● 筋肉を維持すれば、体重が減らなくても体脂肪は落とせる
たとえば…
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体重60kg・体脂肪率20% → 脂肪量は12kg
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体重は60kgのままで体脂肪率18% → 脂肪量は10.8kg
つまり、体重はそのままでも1.2kg分の体脂肪が落ちていることになります。
しかも体重が変わらないということは、脂肪の代わりに筋肉量が増えているということです。
この変化は見た目に大きく影響します。体重ではなく「体組成(何で構成されているか)」が大切なのです。
● 極端な食事制限が危険な理由
体重を早く落とそうとするあまり、
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食事量を極端に減らす
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炭水化物や脂質を過度にカットする
などの無理なダイエットは、筋肉をエネルギー源として分解してしまう「カタボリック状態」に陥ります。
その結果…
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筋肉減少 → 代謝ダウン
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栄養不足 → 排便・排尿のコントロール低下
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水分不足 → 筋肉の7割が水なので、さらに筋肉量が減少
こうして体は「痩せにくく、リバウンドしやすい」状態に。
👉(参考)Tipton & Wolfe, 2001, Journal of Sports Sciences
● ダイエット成功のカギは「筋肉を守ること」
ハニーラルヴァでは、体重の変化よりも 体脂肪率の減少と筋肉量の維持・増加 に注目しています。
✔ 極端なカロリー制限を避ける
✔ 水分摂取を怠らない
✔ 筋力トレーニングを行い、筋肉を維持・増強する
これらを守ることで、リバウンドしにくく、見た目も引き締まった健康的な身体を作ることができます。
🔜 次回予告
次回は「筋肉(除脂肪体重)を減らしてしまうとどうなるか?」「筋肉が多いとなぜダイエットに有利なのか?」をさらに深掘りして解説します!
【汗をかいても痩せない?】汗と脂肪燃焼の本当の関係とは

❌「たくさん汗をかいた=脂肪が燃えた」ではありません
夏の運動やサウナスーツ着用で大量の汗をかくと、「今日はいっぱい脂肪が燃えた!」と思いがちですが、これは大きな誤解です。
汗をかくこと自体は、体温を調節するための反応であり、脂肪燃焼(エネルギー消費)とは直接的な関係がありません。
💡汗の正体とその役割
人間の身体は運動や気温上昇によって体温が上がると、汗をかいて体を冷まそうとします。これは「発汗による気化熱」による体温調節です。
つまり、汗の量が多いのは環境が暑い、もしくは水分が十分であるというサインにすぎず、「頑張った証拠=脂肪が燃えた証拠」ではないのです。
🧪【研究から見る】季節と代謝の関係
実は、寒い季節の方がエネルギーを多く使いやすいことが、近年の研究で明らかになっています。
❝気温が低いと体は体温を保つために熱産生(thermogenesis)を行い、基礎代謝が増加する。これは「非ふるえ熱産生」と呼ばれ、特に褐色脂肪細胞が関与する❞
(参考:van Marken Lichtenbelt et al., 2009, Cell Metabolism)
たとえば、基礎代謝が1800kcalの人の場合、寒冷期(2~4月)と暑熱期(8~10月)では約10%=180kcalの差が出ることもあります。
これは、同じ運動をしても寒い時期の方が痩せやすいということを意味します。
⚠️サウナスーツと脱水のリスク
「サウナスーツで汗を大量にかいて短期間で体重が減った!」という話もよく聞きますが、これは体脂肪ではなく水分が抜けただけです。
脱水状態になると、
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筋出力の低下
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体調不良(頭痛、吐き気)
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熱中症リスクの上昇
などの健康リスクが高まります。
また、脱水時には筋グリコーゲン(筋肉内のエネルギー)も消耗しやすく、運動パフォーマンスが落ちるとも指摘されています(Sawka et al., 2007, Journal of Applied Physiology)。
✅正しく痩せるには
本当に脂肪を燃やすには、以下の3つが重要です:
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筋肉量の維持(=基礎代謝の維持)
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継続的な有酸素・筋力トレーニング
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適切な食事・水分摂取
「汗の量」に惑わされず、エネルギー消費の本質=筋肉と代謝に目を向けてください。
4月後半は「下半身トレーニング」と「伸ばす縮める運動」です

運動テーマは「伸ばす縮める運動」そして「下半身トレーニング」。
まず【伸ばす縮める運動】。
この運動は、はっきりと美容効果が証明されています。
ウエスト。そしてむくみがとれます。
この運動は肋骨と骨盤の可動域を広げるため、少し行っただけでもくびれがはっきりするのが分かるほどなんです。
そうポイントは肋骨と骨盤を引きはがす、ところにあります。
それによって五十肩の改善、そしてひねるスポーツや競技の応用編としても活用される運動になっています。
【下半身トレーニング】
下半身は人間全体の筋肉3分の2が集まっています。
太ももの「大腿四頭筋」裏の「ハムストリングス」やお尻の「大臀筋」、ふくらはぎの「下腿三頭筋」。
体の中でも大きい筋肉が集中しているのが下半身。
お医者さんも年齢が重なる方へ「ウォーキング」や「ジョギング」などを勧めるのは、
ウォーキングなどの下半身を運動させることによって下半身の血流が良くなると、心臓への血流も良くなり、体全体への血流が良くなるのを理解しているから。
逆に下半身の血流が悪いと基礎代謝も悪くなっていきます。
肩こり・五十肩を防ぐ「伸ばす・縮める」運動のすすめ

現代人に欠けている「胴体の使い方」
高い棚の上のモノを取ろうとすると、多くの人は腕を思い切り伸ばし、届かなければつま先立ちになります。
しかしこの動きでは、胴体(体幹)や肋骨周辺がまったく働いていないことがほとんどです。
この“腕だけ・足だけ”に頼る動きの癖が積み重なると、ギックリ腰や五十肩といったトラブルを招くリスクが高まります。
■肋骨の動きが肩の可動域を決める
肩関節の可動性を高めるには、肩や腕のマッサージや温熱療法だけでは不十分です。
肋骨と肩甲骨は筋肉でつながっており、肋骨の動きが制限されると肩の可動域も制限されるからです。
実際に、五十肩患者の研究では、胸郭の可動性(特に第5〜第8肋骨)と肩の可動域には有意な相関があることが報告されています(Yoo et al., 2013)。
🔍【参考文献】
Yoo, I.G., et al. (2013). The effects of thoracic mobilization and extension exercise on thoracic alignment and shoulder function in patients with adhesive capsulitis. Journal of Physical Therapy Science, 25(3), 321–323.
■「伸ばす・縮める」で肋骨を刺激しよう
「伸ばす・縮める」というシンプルな動きは、以下のような多くの効果を引き出します:
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肋骨が上下に動き、胸郭が柔軟に保たれる
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肩や首まわりの負担が減る
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骨盤との連動が生まれ、ウエストも引き締まる
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体重移動がスムーズになり、スポーツや日常動作が軽快に
特に骨盤と肋骨を引き離す意識をもって動くと、自然と体幹が活性化し、姿勢も美しくなります。
■現場での応用:体幹から動かす癖づけ
ジムでは、「腕を使う前に、まず体幹を使う」という意識をトレーニングの中で根づかせています。
マシンではなく、重力と自体重を活かした動きで「伸ばす・縮める」を日常に取り入れることが、長期的な健康と可動域維持の鍵です。