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【汗をかいても痩せない?】汗と脂肪燃焼の本当の関係とは

❌「たくさん汗をかいた=脂肪が燃えた」ではありません
夏の運動やサウナスーツ着用で大量の汗をかくと、「今日はいっぱい脂肪が燃えた!」と思いがちですが、これは大きな誤解です。
汗をかくこと自体は、体温を調節するための反応であり、脂肪燃焼(エネルギー消費)とは直接的な関係がありません。
💡汗の正体とその役割
人間の身体は運動や気温上昇によって体温が上がると、汗をかいて体を冷まそうとします。これは「発汗による気化熱」による体温調節です。
つまり、汗の量が多いのは環境が暑い、もしくは水分が十分であるというサインにすぎず、「頑張った証拠=脂肪が燃えた証拠」ではないのです。
🧪【研究から見る】季節と代謝の関係
実は、寒い季節の方がエネルギーを多く使いやすいことが、近年の研究で明らかになっています。
❝気温が低いと体は体温を保つために熱産生(thermogenesis)を行い、基礎代謝が増加する。これは「非ふるえ熱産生」と呼ばれ、特に褐色脂肪細胞が関与する❞
(参考:van Marken Lichtenbelt et al., 2009, Cell Metabolism)
たとえば、基礎代謝が1800kcalの人の場合、寒冷期(2~4月)と暑熱期(8~10月)では約10%=180kcalの差が出ることもあります。
これは、同じ運動をしても寒い時期の方が痩せやすいということを意味します。
⚠️サウナスーツと脱水のリスク
「サウナスーツで汗を大量にかいて短期間で体重が減った!」という話もよく聞きますが、これは体脂肪ではなく水分が抜けただけです。
脱水状態になると、
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筋出力の低下
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体調不良(頭痛、吐き気)
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熱中症リスクの上昇
などの健康リスクが高まります。
また、脱水時には筋グリコーゲン(筋肉内のエネルギー)も消耗しやすく、運動パフォーマンスが落ちるとも指摘されています(Sawka et al., 2007, Journal of Applied Physiology)。
✅正しく痩せるには
本当に脂肪を燃やすには、以下の3つが重要です:
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筋肉量の維持(=基礎代謝の維持)
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継続的な有酸素・筋力トレーニング
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適切な食事・水分摂取
「汗の量」に惑わされず、エネルギー消費の本質=筋肉と代謝に目を向けてください。
4月後半は「下半身トレーニング」と「伸ばす縮める運動」です

運動テーマは「伸ばす縮める運動」そして「下半身トレーニング」。
まず【伸ばす縮める運動】。
この運動は、はっきりと美容効果が証明されています。
ウエスト。そしてむくみがとれます。
この運動は肋骨と骨盤の可動域を広げるため、少し行っただけでもくびれがはっきりするのが分かるほどなんです。
そうポイントは肋骨と骨盤を引きはがす、ところにあります。
それによって五十肩の改善、そしてひねるスポーツや競技の応用編としても活用される運動になっています。
【下半身トレーニング】
下半身は人間全体の筋肉3分の2が集まっています。
太ももの「大腿四頭筋」裏の「ハムストリングス」やお尻の「大臀筋」、ふくらはぎの「下腿三頭筋」。
体の中でも大きい筋肉が集中しているのが下半身。
お医者さんも年齢が重なる方へ「ウォーキング」や「ジョギング」などを勧めるのは、
ウォーキングなどの下半身を運動させることによって下半身の血流が良くなると、心臓への血流も良くなり、体全体への血流が良くなるのを理解しているから。
逆に下半身の血流が悪いと基礎代謝も悪くなっていきます。
肩こり・五十肩を防ぐ「伸ばす・縮める」運動のすすめ

現代人に欠けている「胴体の使い方」
高い棚の上のモノを取ろうとすると、多くの人は腕を思い切り伸ばし、届かなければつま先立ちになります。
しかしこの動きでは、胴体(体幹)や肋骨周辺がまったく働いていないことがほとんどです。
この“腕だけ・足だけ”に頼る動きの癖が積み重なると、ギックリ腰や五十肩といったトラブルを招くリスクが高まります。
■肋骨の動きが肩の可動域を決める
肩関節の可動性を高めるには、肩や腕のマッサージや温熱療法だけでは不十分です。
肋骨と肩甲骨は筋肉でつながっており、肋骨の動きが制限されると肩の可動域も制限されるからです。
実際に、五十肩患者の研究では、胸郭の可動性(特に第5〜第8肋骨)と肩の可動域には有意な相関があることが報告されています(Yoo et al., 2013)。
🔍【参考文献】
Yoo, I.G., et al. (2013). The effects of thoracic mobilization and extension exercise on thoracic alignment and shoulder function in patients with adhesive capsulitis. Journal of Physical Therapy Science, 25(3), 321–323.
■「伸ばす・縮める」で肋骨を刺激しよう
「伸ばす・縮める」というシンプルな動きは、以下のような多くの効果を引き出します:
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肋骨が上下に動き、胸郭が柔軟に保たれる
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肩や首まわりの負担が減る
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骨盤との連動が生まれ、ウエストも引き締まる
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体重移動がスムーズになり、スポーツや日常動作が軽快に
特に骨盤と肋骨を引き離す意識をもって動くと、自然と体幹が活性化し、姿勢も美しくなります。
■現場での応用:体幹から動かす癖づけ
ジムでは、「腕を使う前に、まず体幹を使う」という意識をトレーニングの中で根づかせています。
マシンではなく、重力と自体重を活かした動きで「伸ばす・縮める」を日常に取り入れることが、長期的な健康と可動域維持の鍵です。
ウォーキングでは足りない?糖尿病と「速筋」の重要な関係

面白い動画を見つけたのでご紹介させてください。
順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科の町田修一教授が話す「第154回老年学・老年医学公開講座」にて、「速筋の低下が糖尿病とどう関係しているか」がわかりやすく説明されています。
📺 動画はこちら:
【第154回老年学・老年医学公開講座】町田修一教授
💡速筋とは?そしてなぜ重要?
筋肉には「遅筋」と「速筋」があります。
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遅筋(赤筋):持久力に優れる(例:マグロ)
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速筋(白筋):瞬発力に優れるが、使わなければ衰えやすい(例:ヒラメ)
私もセミナーなどでよくこの「マグロとヒラメ」の例を出して説明していますが、ウォーキングで鍛えられるのは主に遅筋。しかし、年齢と共に低下しやすいのは速筋の方です。
🩺速筋と糖尿病の深い関係
速筋の低下は糖尿病とも密接な関係があります。
実は、筋肉量の低下、特に速筋の減少は、インスリン抵抗性の悪化や糖代謝異常を引き起こすことが研究でも示されています。
ウォーキングなどの有酸素運動も重要ですが、速筋を刺激する筋力トレーニングなしには、糖尿病の根本改善にはつながりにくいのです。
車の売上と糖尿病の関係?(動画より)
町田教授の講演では、「トヨタ車の累積販売台数」と「糖尿病患者数の増加」が一致しているという、興味深い統計グラフが紹介されていました。
つまり、便利な世の中の進化とともに、体を使わなくなり、速筋が低下し、糖尿病が増えてきたという指摘です。
まとめ:だからこそ「筋トレ」を
特に高齢者や糖尿病予備群の方々には、筋力トレーニングこそが健康寿命を延ばすカギになると考えています。
「歩いているから安心」ではなく、使っていない筋肉が確実に落ちていることを自覚して対策することが重要です。