②毎日更新の情報
【伸びた筋肉も固まる?】ストレッチの誤解と効果的なアプローチ ※参考論文有り
日常の中で、私たちは自分でストレッチをしたり、誰かにサポートしてもらって身体をほぐすことがあります。
しかし、ストレッチの方法を間違えると、思うような効果が得られないばかりか、逆に身体の不調を助長してしまうこともあります。
■「縮んで固まる」 vs「伸びて固まる」
ストレッチでほぐすべき筋肉は、大きく分けて2つのタイプに分類できます:
-
短縮固定(縮んで固まった筋肉)
→ いわゆる一般的な「コリ」。静的ストレッチ(じっくり伸ばすタイプ)が有効です。 -
伸長固定(伸びた状態で固まった筋肉)
→ すでに伸ばされている状態で固まり、さらに引っ張っても改善しません。
たとえば、長時間のデスクワークで背中が丸まる姿勢が続くと、胸の筋肉(大胸筋など)は縮んで短縮固定され、逆に背中の筋肉(僧帽筋や広背筋など)は伸長固定されていきます。
この状態で背中をさらにストレッチしても、改善はされず、むしろ逆効果になることもあるのです。
■ストレッチにも種類がある
私たち「ハニーラルヴァ」では、2種類のストレッチを目的別に使い分ける重要性をお伝えしています。
| 種類 | 概要 | 対象となる筋肉 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 静的ストレッチ | ゆっくり時間をかけて伸ばす | 短縮固定された筋肉 | 柔軟性向上、リラックス |
| 動的ストレッチ | リズミカルに動きながら行う | 伸長固定された筋肉含む全身 | 体温上昇、血流促進、可動域拡大 |
特に動的ストレッチは、関節の滑液(関節内の潤滑液)を活性化し、筋肉のポンプ作用を高めることから、肩こり・腰痛・冷え性などの改善に効果が期待されます。
🧠 関連論文・エビデンス
-
Behm et al. (2016) – 「静的ストレッチと動的ストレッチの比較効果に関するレビュー」
→ 動的ストレッチは筋温を高め、筋力やジャンプ力などのパフォーマンス向上に効果的であると報告されています。
(出典: Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism) -
Sharman et al. (2006) – 「ストレッチングの神経生理学的メカニズム」
→ 静的ストレッチは筋紡錘の反射活動を抑制し、一時的な柔軟性を生み出すが、長期的な姿勢改善には動的要素の統合が必要と指摘。
(出典: Physical Therapy Reviews) -
固まった筋肉には「縮んでいる」ものと「伸びきっている」ものがある
-
静的ストレッチだけでなく、動的ストレッチを取り入れることが根本的な改善につながる
-
ストレッチのやり方を誤ると、効果が出ないどころか逆効果になることも
「ただ伸ばす」ではなく、「どう動かすか」が大切。
ハニーラルヴァでは、体の状態に合わせたストレッチ指導を通じて、科学的な視点で根本的な不調改善をサポートしています。
勉強でもカロリーは消費される?
「運動をするとカロリーが消費される」というのはよく知られていますが、実は勉強でもカロリーが消費されることが分かっています。
もちろん年齢や性別、体重などによって個人差はありますが、1時間の勉強で消費されるカロリーはおよそ100kcal程度。これは、普通盛りのご飯の約半分に相当します。
ただし、ここで重要なのは「何のカロリーが消費されるか」です。
運動によって消費されるのは主に体脂肪。
一方、脳を使って消費されるのは主にブドウ糖です。
そのため、勉強やデスクワークでいくら頭を使っても、直接的なダイエット効果はあまり期待できません。
さらに、長時間頭を使うとブドウ糖が不足しやすくなり、
-
集中力の低下
-
記憶力の低下
-
疲労感
-
甘いものへの欲求
などが生じやすくなります。
つまり、「勉強でカロリーを消費できるからダイエットに効果的!」と思ってしまうのは、少し早とちりかもしれませんね。
運動は基礎代謝を上げ、長期的に見て消費カロリーを増やすことができます。健康的に体を引き締めたい方は、やはり日常的な運動習慣がカギです!
冬に眠くなる原因の一つ「冬季うつ(季節性情動障害)」とは?
冬に強い眠気を感じる原因として、冬季うつ(Seasonal Affective Disorder:SAD)が知られています。
これは季節性うつ病の一種で、冬の時期だけうつ病に似た症状が出現することが特徴です。
研究では、冬季うつは一般的なうつ病の症状(気分の落ち込み、意欲低下、疲労感など)に加えて、過眠(睡眠時間が長くなる) 過食(特に炭水化物への渇望)
といった特徴的な症状が多く、本人が「うつ病」と気づかないケースも少なくないことが示されています。
◆発症の背景:日照時間の減少による生体リズムの乱れ
冬季うつの主な原因は、冬場の日照時間の減少です。
太陽光を浴びる量が減ると、脳内では次のような変化が起こりやすくなります:
① メラトニンの分泌リズムの乱れ
メラトニンは「睡眠を調整するホルモン」。
日照が不足するとメラトニン分泌が過剰または遅延し、眠気が強くなる/朝起きづらい/日中の覚醒が保ちにくいなど、生体リズムが崩れます。
② セロトニン活性の低下
日光は「セロトニン(気分を安定させる神経伝達物質)」を活性化させます。
冬場はこれが低下し、気分の落ち込み/意欲の低下/疲れやすさにつながります。
これらの変化が重なることで、強い眠気・食欲増進・気分低下などの『冬季うつ』特有の症状が起こりやすくなると考えられています。
◆治療法:光照射療法が科学的に有効
冬季うつの治療法として代表的なのが、光照射療法(ライトセラピー)です。
これは専用の高照度ライト(通常10,000ルクス程度)を用いて、朝に人工的な強い光を浴びる療法で、
体内時計の調整/メラトニンリズムの正常化/セロトニン活性改善
などが期待され、臨床研究でも効果が報告されています。
骨盤底筋が弱ると口で呼吸する
骨盤底筋のトレーニングはハニーラルヴァでも主にし、セミナーやイベントでも講演させてもらっています。
骨盤底筋トレーニング=尿漏れ防止
骨盤底筋トレーニング=ポッコリお腹改善
骨盤底筋トレーニング=体幹部の強化
まぁ、様々なところに影響するのが骨盤底筋のすばらしさなんです。
骨盤底筋は股関節とも関わっている閉鎖筋とも繋がりがあるため、「骨盤底筋トレーニングは下半身の強化もプラス」というか骨盤底筋が弱くなれば「下半身も弱くなる原因」と私は思っています。
さて、今回はその骨盤底筋と呼吸の関係。
骨盤底筋と横隔膜は収縮と弛緩の運動を対照的に行っている箇所なので、そもそも関連性は高いんです。
横隔膜が収縮すれば骨盤底筋が緩む。
骨盤底筋が収縮すれば横隔膜がゆるむ。といった形で。
横隔膜は呼吸時に役割を果たす筋肉としてメジャーですね。
という事は?
結論から早速、
骨盤底筋が弱くなる→横隔膜が弱くなる→呼吸が衰える
今回この呼吸が衰えるというのは、イコール胸式呼吸になってしまうという話。
『呼吸様式の違いが骨盤底筋に与える影響』論文↓ 長いからサっと下にスクロールしちゃってもいいです(笑)
https://ci.nii.ac.jp/naid/130005248646
骨盤底筋群が弱まると過剰な腹圧で負担をかけないようにするため、腹式呼吸から胸式呼吸に変化させていると記述してあります。
続きとしては胸式呼吸は口呼吸なので、口で呼吸している時は骨盤底筋が弱い可能性がある。
と、なります。
しかし僕から言わせていただくと、ひとつ不健康であればすべて不健康な状態。
体調を悪くしている状態は、ひとつの箇所が悪いというか、そこを起点に様々な不健康な状態になっているはず。
要するにイライラしている人は機嫌が悪いのでなく「不健康」な人。
いつも態度が悪い人は「不健康」だと言えます。
またまた脱線しないようにします!
口呼吸が悪いコトだらけだと私は思えませんが、東京大学医学部大学院博士号を取っている西原克成氏の著書『呼吸健康術』でも
口呼吸はウイルスなどを取り込みやすい災いの元だと話されています。
次は、子供の頃から喘息に悩んでいたパトリックさんが医師と出会い、深呼吸の勘違いを見直し喘息を克服していった『人生が変わる最高の呼吸法』。
胸式呼吸は口呼吸になり酸素を取り込み過ぎてしまうからダメ。
次、ストレッチなどの様々なパターンを書いていたりする森本貴義氏とアスレティックトレーナーの近藤拓人氏の著『新しい呼吸の教科書』
口呼吸は百害あって一利なしと,,,,,著書の中で鼻が詰まった時、口は補助として呼吸できるのが唯一の利点的な表現されてますが、結局鼻炎などの原因なども口呼吸にあるからやはり口呼吸に利点はない、と。
もうコテンパンですね。
次の、日本呼吸器学会指導員の雨宮隆太氏と中部学院大学短期大学部社会福祉学科で教壇に立っている橋逸郎氏の『はじめての呼吸法』
やっと胸式呼吸だけが
「そんなに悪くないよ!」(胸式呼吸の胸郭主体と腹式呼吸の横隔膜主体がお互いに連携し合う)
とおっしゃっています。
しかしどこでも言われているのは、ストレスや疲労時などの交感神経優位が胸式呼吸、腹式呼吸は副交感神経優位でリラックスができること。
もはや胸式呼吸滅多打ちなんです,,,,,,,(笑)
私も鼻呼吸で日常生活していますが、花粉症で鼻がつまって口呼吸になったりした時期もありました(今は花粉症は抑えられています)。
そしてボクサー現役時代、トレーニングをしている時に口呼吸になってました。
ですが、現役プロボクサー時に指導してくれた方に「相手に呼吸を悟られないよう鼻で呼吸しろ」と言われてからずっと鼻呼吸をするようになりました。
こうやって調べていくうちにあの恩師の指導のおかげで色々繋がってきていると感謝しています。
ですが強度が高い運動をして、なお鼻呼吸を続けているともはや鼻や肺が爆発しそうになります(笑)
普段の生活の呼吸なら改善するほうが良いでしょうが、ハードな運動の緊急時に自分以外の人から言われた呼吸なんかしていられない!
それが腹式呼吸だろうが胸式呼吸だろうが。
緊急時くらい好きな呼吸法でやらせてあげて、と言いたい(笑)
そこですかね、私も胸式呼吸が勧められる利点とは。
ですがその代わり、普段の生活はやはり生理学上でも勧められている「鼻呼吸」で生活していただけたらな、と思います。
骨盤底筋が弱くなる→口呼吸という流れであれば、改善の手段のひとつはまず鼻呼吸にすること、が望ましいかもしれません。




