②毎日更新の情報
今月のハニーラルヴァは「身体をひねる使い方&上半身トレーニング」で運動していきます
■「ひねる=腰」ではないってご存じでしたか?
ボクシング、ゴルフ、野球、テニス……
あらゆる回旋動作を含むスポーツにおいて、身体を「ひねる」動きはとても重要です。
しかし、ここでよくある誤解があります。
それが
「腰をひねって動く」という思い込み。
実はこの考え方、腰痛の原因になっている可能性が高いんです。
■腰椎のひねりは「たった6度」しかない
人間の腰の骨(腰椎)は、構造的に回旋(ねじり)に弱い部位です。
その可動域は約6度(時計の針1メモリ)とごくわずか。
このわずかな可動域以上に腰を無理にひねろうとすれば、椎間関節や椎間板に負担がかかり、腰痛やヘルニアのリスクが高まります。
本当に“ひねり”を担うのは「胸郭」と「股関節」
では、ひねるべきはどこか?
答えは明確です。
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上半身 → 胸郭(胸椎+肋骨)
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下半身 → 股関節
この2か所が、身体の自然な回旋を生み出す主役です。
胸椎は約35度以上の回旋が可能で、股関節も30度以上の外旋・内旋が可能です。
この「胸と股関節の連動」がスムーズになれば、結果として腰も自然に連動して「美しいひねりの動き」が生まれます。
■なぜこれが重要なのか?──次のテーマ「伸び縮み」に繋がる
回旋運動が正しく行えるようになると、
次に重要になる「伸びる・縮む」動作(例えばスイング動作やジャンプ動作)に大きく影響します。
つまり、回旋=ひねる動きが使えてこそ、パワーを蓄えて爆発させる“伸縮”動作が活きるのです。
■上半身トレーニング:美しく・強く・機能的に
今月の実技では、以下のツール・方法を使い「上半身の強化と引き締め」を目指します。
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TRXサスペンショントレーニング
→ 体幹と連動した上半身強化に最適 -
バトルロープ
→ 心肺機能+肩まわり+体幹を一気に鍛える -
自重トレーニング(腕立て、懸垂など)
→ 全身の連動性を意識しやすい
これらを取り入れることで、胸・背中・腕をバランスよく鍛え、機能的で美しい上半身のシルエットを作っていきます。
【まとめ】
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「ひねる」の主役は胸と股関節、腰ではありません
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正しいひねり動作は、ケガ予防にもパフォーマンス向上にも直結します
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上半身の引き締めトレーニングとセットで、夏に向けて機能的な身体を作りましょう!
カレンダーで12月の予定を確認してください
ハニーラルヴァの各店舗のページにカレンダーを載せています。
大田原店の定休日は水曜日と日曜日。
※大田原店の17:00~18:00はジュニア体育クラスとなっているので子ども以外はご利用できません。
https://honeylarva.com/free/price
黒磯店の定休日は月曜日と水曜日と第4日曜日。
https://honeylarva.com/free/kuroiso
温泉×運動×クオリティ・オブ・ライフ
フランスの温泉療法から学ぶ、健康づくりのヒント
私たちのジムは、運動による身体機能の向上だけでなく、「健康の質=クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」の向上を重視しています。
その中で注目したいのが、フランスにおける「温泉療法」と保険制度の連携です。
◆ フランスでは温泉療法が“医療”として認められている
フランスでは、温泉での療養(サーモリズム:Thermalisme)が国家によって医療として位置づけられ、なんと治療費の65%が健康保険でカバーされます。
対象となる疾患は以下のように多岐にわたります。
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呼吸器疾患(喘息、慢性気管支炎など)
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血管系疾患(静脈瘤など)
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消化器疾患(胃腸障害など)
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関節疾患(関節リウマチ、慢性痛など)
この制度は、医師による処方のもとでの温泉療養に限られるものですが、科学的な裏付けに基づき国家レベルで整備されており、予防医療とQOL向上の重要な柱となっています。
📚 参考論文:
Haro, J.M. et al. (2005). Health and wellness tourism: a European overview. International Journal of Tourism Research.
Bender, T. et al. (2007). Evidence-based hydro- and balneotherapy in Hungary—a systematic review and meta-analysis. International Journal of Biometeorology.
◆ 骨盤底筋ケアも「保険適用」!?
さらに驚くことに、フランスでは骨盤底筋のリハビリテーション(尿失禁予防など)も保険対象となっており、女性の産後ケアや高齢者のQOL改善にも積極的です。
これは、日本ではまだ一部の自由診療に限られている分野であり、「身体機能の維持・改善」を国家レベルで支えるフランスの方針が際立っています。
◆ スポーツ振興でも先を行くフランス
少し視点を変えてみましょう。
実はフランスは「柔道」大国でもあります。
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柔道人口:約50万人(日本は約20万人)
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そのうち60%が小学生年代(日本は約20%)
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柔道による死亡事故は「ゼロ」
フランスでは柔道が教育・医療・社会福祉と連動し、職業としての地位や指導者の体制もしっかり整えられていることがわかります。
日本のこれからに必要なこと事、それはフランスのような「運動・保養・医療の連携モデル」は、これからの日本にも必要な視点だと私たちは考えています。
私たちのジムでは、
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科学的根拠に基づいたトレーニング
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温泉・入浴に関する正しい知識の啓発(温泉ソムリエ・温泉入浴指導員の有資格者が在籍)
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地域に根ざした健康づくりの提案
を通じて、みなさんの「健康寿命の延伸」と「快適な日常」を支えていきます。
身体に入る呼吸の量はどれくらい?それが分かれば呼吸を意識できる
【呼吸の質を高める】
─ なぜ「長くゆっくり」が身体に良いのか? ─
「吸って、吐く」
ただそれだけの呼吸にも、実は“効率の良い方法”があります。
ハニーラルヴァの朝活フィットネスや一般会員様向けの呼吸法トレーニングでもお伝えしているのは、
『長く吸って、長く吐く。吸うことも吐くことも、ゆっくりと』という呼吸の基本です。
なぜこの「長く・ゆっくり」が、健康に良いのでしょうか?
◆ 呼吸1回で肺に届く空気は、実は350mlほど
人は1回の呼吸で約500mlの空気を吸い込みます。
しかし実際に肺の中の「肺胞(はいほう)」に届いて酸素交換ができるのは、約350mlだけです。
残りの150mlは、口や気管・気管支など肺胞までの“通り道”に留まり、酸素交換に関与できません。これを**「死腔(デッドスペース)」**と呼びます。
この150mlという空気量は、どれだけ深く吸ってもほとんど変わりません。
◆ 呼吸が速いと“届かない酸素”が増えてしまう
例えば、10秒間でゆっくり1回呼吸をした場合:
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吸気量:500ml
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死腔:150ml
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肺胞に届く酸素:350ml
しかし、10秒間で2回の浅く速い呼吸をするとどうなるでしょう?
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吸気量:1回あたり250ml × 2回 = 500ml(合計同じ)
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死腔:150ml × 2回 = 300ml
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肺胞に届く酸素:たった200ml(500ml - 300ml)
つまり、呼吸回数が増えるほど、無駄になる酸素が増えるということです。
◆ ゆっくり呼吸は、自律神経にも効果がある
早く浅い呼吸は交感神経(緊張・興奮モード)を活性化させ、ストレスを強め、身体に疲労を蓄積させてしまいます。
逆に、ゆっくり深い呼吸は副交感神経(リラックスモード)を優位にし、自律神経を整え、ストレス耐性や睡眠の質にも良い影響を与えることが知られています。
◆ 学術的な裏付け
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『呼吸の死腔とガス交換効率』
出典:West, J. B. (2012). Respiratory Physiology: The Essentials
→ 呼吸のデッドスペースは成人で約150mlとされており、早い呼吸では酸素効率が著しく低下すると解説されています。 -
『ゆっくりした呼吸と副交感神経の関係』
出典:Zaccaro et al. (2018). Slow breathing and cardiovascular variability: a systematized review. Frontiers in Human Neuroscience
→ ゆっくりとした呼吸が副交感神経を優位にし、ストレスや不安の軽減に効果があることが報告されています。
◆ 日常から、呼吸を変えていこう
呼吸は、誰もがいつでも行っている生命活動です。
だからこそ、「ゆっくりと、長く吸って吐く」というちょっとした意識が,健康維持・疲労回復・ストレス軽減など、多くのメリットにつながります。
ハニーラルヴァでは、こうした科学的に裏付けられた呼吸法を通して、皆様のクオリティ・オブ・ライフの向上をサポートしています。
空腹で運動すると筋力が落ちる?ことなんてありません。
【空腹で筋トレすると筋肉が減る?】それ、誤解です。
「空腹で筋トレをすると筋肉が分解されてしまう」
そんな話を聞いたことはありませんか?
しかし、これは科学的に正確ではありません。
■ 空腹=体内に栄養がない、は誤り
私たちの体は、血中・筋肉内にグリコーゲン(糖質の貯蔵形態)を蓄えており、エネルギー源として優先的に使います。その後、脂肪が使われ、最後の手段としてタンパク質(筋肉)が分解されます。
つまり、筋肉が分解されてしまうのは「数日間何も食べていない」「極端に体脂肪が少ない」ような極限状態だけです。
■ むしろ、筋肉は守られる仕組みがある
筋肉を構成するタンパク質には「窒素(N)」が含まれており、この窒素は体内の同化作用(筋肉を作る働き)に影響します。
空腹時でも、体は筋肉を維持しようとするホルモンや代謝機構を活性化させるため、むやみに筋肉を分解するようには設計されていません。
✅ 参考文献
Wolfe RR. "Regulation of muscle protein by amino acids." J Nutr. 2002
Cahill GF. "Fuel metabolism in starvation." Annu Rev Nutr. 2006
■ IF(断続的断食)は筋肉を減らさず脂肪を落とす?
2020年、アメリカで流行したインターミッテント・ファスティング(IF)。これは食事の時間を制限するダイエット法ですが、筋肉量を維持しながら体脂肪を効果的に減少できると報告されています。
✅ 参考文献
Moro T. et al. "Effects of eight weeks of time-restricted feeding (16/8) on body composition and performance..." J Transl Med. 2016
■ サプリは不要?「空腹=筋分解」を煽る業界トリック
空腹でのトレーニングを危険視し、BCAAやプロテインなどのサプリを過剰に勧めるケースもありますが、筋肉の損失を防ぐ目的であれば必ずしも必要ではありません。正しい知識があれば、不安に煽られることも減ります。
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空腹時にすぐ筋肉が減ることはない
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身体は筋肉を「維持」しようとする仕組みがある
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IFのような空腹を取り入れた方法でも筋肉は維持可能
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不安を煽る商業的な情報には注意