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筋膜リリースとは筋肉の解放?自由度を広げる?
筋膜リリース。
最近このフレーズを聞くことが多くなったので調べてみました。
直訳すると、筋肉を「解放する」、「自由にする」という意味。
筋膜リリースとは一般的にストレッチボールやトリガーポイントを用いて行う方法を想像する方が多いと思います。
まず学術的な「筋膜リリース」の定義とは?
筋膜に圧とストレッチを加える事で、筋膜の制限がなくなり機能(ここでは可動域など)の向上を目的とする徒手療法。
徒手療法とは、理学療法士によって行う関節モゼライゼーションや軟部組織マッサージを指します。
ローラーを用いてゴロゴロして行う方法の意味は元は違っていました。
少しややこしくなるので定義に関してここまで。
要するに最近の筋膜リリースというのは、
ストレッチボールやトリガーポイントというゴロゴロするアイテムを使い筋肉を圧迫したり刺激を与え、筋膜の柔軟性を高めましょう。
という方法です。自分でも簡単にできるセルフケアとして話題になっているみたいです。
筋膜リリース、または筋膜はがしとも言われているようです。
「はがし」?そう、先日「肩甲骨はがし」についての記事を掲載しましたが今回は筋膜はがしという「筋膜リリース」。
「筋膜をローラーでコロコロすることによって」と表現しているところを多くみかけますが、
そもそも筋膜は表面の他、深層部にもいくつもあります。
そこをローラーをコロコロするだけで筋膜の柔軟性が高められるという事はありません。
そして筋膜は平行に並んでいるわけではありません。様々な方向に向かっています。
もしある方向にはリリースできたとしても、逆方向にはむしろ固めてしまうケースにもなりうるでしょう。
そしてこの表面の筋膜を指すのは日本だけ、英語では皮膚やその下の皮下組織、脂肪層、膜組織までの広い範囲を指します。
ストレッチボールやトリガーポイントでコロコロしただけでは奥の筋膜にまでひびくことはないでしょう。
ですがこの筋膜リリースというかストレッチ。
これを行う事によって関節などの可動域を広げることは間違っていないとは思います。
しかし、可動域を広げて柔軟性が高く成れば高くなるほど良いという訳ではありません。
これは肩甲骨はがしやストレッチの目的にも当てはまります。
可動域を広げ自由度が高くなってもしっかり安定性も並行して(筋肉をつけるなど)つけていかなければ逆にパフォーマンスの低下にもなりうるでしょう。
そして筋肉を刺激代謝があがってダイエットになる。たしかに代謝は上がると思いますがほんの微量です。
結果、筋膜リリースの科学的根拠は薄いというのが分かりましたが、これも肩甲骨はがしと同じ。
肩甲骨は、はがれることはないけれどもストレッチを目的とするのであればアリ。
筋膜リリースも、深層部の筋膜にアプローチできることはありませんが、マッサージの意味としてはなくはない事。
それなりのキャッチフレーズを並べられると面白味はありますが、ネーミングから先入した効果に関しては過剰に求めないように注意です。
肩甲骨はがし?それって。
肩甲骨はがしというネーミングが巷にあります。
体の構造上、肩甲骨がはがれる事はまずありません。
「肩甲骨まわりの筋肉をほぐすことによって固まった動きを緩めましょう」というフレーズがあります。
要するに、肩甲骨まわりを緩めれば肩甲骨まわりの動きが連動し、体の使い方が良くなるという事。
それは違います。
緩い部分もあり固い部分もあるからこそバランスが良いという事。
柔軟性と同じです。
自由性と安定性が両立してこそのバランスです。
それに肩甲骨全体が緩まることはありません。
ネーミングからして、はがしたほうが良さそう!と思ってしまうでしょうが、
肩甲骨と肋骨の関係性もあるので、肩甲骨を例え緩めただけで体の動きが良くなる事はありません。
そして肩甲骨が浮いている事が良いと言われ、肩甲骨の内側に指が入ると良いと言う目標を立てる方もいらっしゃいます。
腕を動かすためのバランスを取るのが肩甲骨のため、肩甲骨の内側を浮かせて指が入るようなことができてしまえば逆にバランスが悪くなります。
もうひとつ、肩甲骨まわりには褐色脂肪細胞があり、そこを活性化すると痩せますみたいなキャッチフレーズも聞きますが、褐色脂肪細胞は肩甲骨だけじゃなく、
身体の至る所に褐色脂肪細胞があるので肩甲骨まわりだけやって活性化に繋がることはありません。
「はがす」という言葉が先行し、はがすためのストレッチなどが紹介されていますが、「はがす」事が体の構造上ありえない事が分かります。
ですが肩甲骨はがしというネーミングがインパクトあって「はがす」事に着目してしまいますが、肩甲骨まわりのストレッチが悪いとは思いません。
肩甲骨まわりをストレッチすることで肩周りや首周りの緊張もほぐれるでしょう。
「はがす」ことはネーミングの遊びとして捉え、本当にはがれるんだ!はがすために頑張ろう!という事だけにはならないように注意して下さい。
乳酸を疲労の原因と言わないで!
「乳酸は疲労をおこすものではなく、疲労を防ぐために乳酸ができる。」
この事実を最初の述べたのは、乳酸があまりにも体に悪いというフレーズが多すぎるから。
「ダイエットするにはカロリーを減らしましょう」のフレーズと同じです。
過度な思い込みが独り歩きして、今でもカロリーを極度に減らしてダイエットしてしまう人がいるのと同じ。
乳酸については過去にも記事にしたことがありますがもう一度。
体内は中性に保たれていて、筋肉を使うと乳酸が作られ徐々に中性から酸性に偏っていきます。
ここでも注意なのが酸性に偏ってもそうした酸性を防ぐ機構が、体には存在していることを頭に入れていてほしいと思います。
「乳酸=酸だからそれで体内が酸性になって筋収縮などがうまくいかなくなる」と根強く勘違いしている指導者もいます。
長時間の運動では乳酸の原料の糖が減るので、より乳酸ができにくくなります。
有酸素運動でも極度の無酸素運動でも血中乳酸濃度が低下します。
よって疲労困憊になるのが乳酸でないのが実証されています。
そして逆に乳酸があると筋収縮がよくなるとか、疲労のひとつの原因でもあるカリウムの関係で筋収縮の低下が制御されることも研究で分かっています。
ようするに疲労回復の手助けになっているという事。
乳酸に限らず、どの物質でも適量であればプラス。多すぎたり少なすぎたりすればマイナス。
この関係が分かっていれば極度に「乳酸!乳酸!」などと思わないようになってくれればと思っています。
オリパラ教育セミナーの講師を務めてきました
「オリパラ教育セミナー」と題した90分のプログラムを行ってきました。
「運動すると賢くなる。」「ずっと座ったままだとタバコ吸うよりも寿命が短くなるんだぞ。」
という科学的根拠の話は短めにして(笑)
とにかく元気の有り余っている10代の生徒には動いてなんぼ。
大切な事はココだけ注意して運動や生活をしてみて下さい。と重要な運動や健康を伝え。
あとは楽しくエクササイズをしながら90分を過ごしました。
最後に「強さとは?」「夢とは?」の話をしました。
「強さなんか求めてはダメ、強くなったと勘違いするとロクな事をしない。強くなろうとすると人はウソをつくようになる。だからウソをつかないようにすることにつとめてみて下さい。これからも友達が何十人に増え、知り合いを含めたら100人以上にウソをつかないようにするのは難しい。まず大切な人ひとりでいいから嘘をつかないように頑張ってみて下さい。そうしたら2人、3人と増やしていつか全員にウソをつかないようになった時、きっと自分にもウソをつかないようになっているはず。」そう伝えました。「そうなれば自分自身弱くはなっていないはずです。」と。
すると、一人の学生が生徒代表で最後の挨拶に僕の前に上がってくれ、
「今日は生徒代表で最後の挨拶をつとめさせてもらいます。言葉を用意するよりアドリブで言った方が良いと思いしゃべります。・・・ごめんなさい。やっぱりしゃべれません。
ウソをつかないようにしてと言ってもらい・・・僕は今までいろんな人にウソをついてきてたかもしれません。・・・ごめんなさい勝手に涙が出そうです」と声を震わせてマイクでしゃべってくれました。
僕は10代の時なんかこの子よりたくさんウソや見栄を張って生きてきたでしょう。それなのにこの子は初めて会った僕に素直に正直に、大勢の生徒の前でこんな表現をできるなんて。
感動を通り越して僕の方が涙を我慢するのがやっとでした。僕の言葉より何倍も透き通っていて。こちらこそ、ありがとうございます。
学生生活は社会に出る前の助走期間。
この時間を大事に楽しく過ごし、卒業したらそれぞれスタートダッシュをかけてほしいと思います。
帰りの路がなんだか晴れ晴れとした気持ちでした。
その時の写真が出来上がり、学校に飾ってあるとのことです。




